「潜入取材」ウラ話


さてさて、前回は突然「工場見学」のリポートをお送りしました。
・・・が!そもそもそこを訪ねた動機はいたって単純です。
「生キャラメルを地元で買いたかったから。」

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話は先週の月曜日にさかのぼります。
この日私は、横浜・桜木町の劇場「のげシャーレ」に、
演劇公演「不思議の国のアリス」(演出:仲田恭子)を見に行っておりました。
原作のシュールな世界を、女性ばかりのキャストの皆さんが、
個性豊かに楽しそうに演じてらっしゃって、
衣装も仮装パーティみたいに凝っていて、終始楽しく見てました!
公演後の出演者・観客交えてのお茶会も終わり、
出演者・スタッフの皆さんと記念写真も撮らせて頂いて、ホクホクして帰ろうとしたら、
演出の仲田さんから生キャラメルを頂きました!


実は仲田さんは演出業のかたわら、
先日ブログでご紹介した、下北沢北口のアイスクリーム店をご夫婦で経営してまして、
この生キャラメルは、お店の人気商品の一つ!
これがまた絶品で、とろけるほどなめらかで美味しい!
「コレ、絶対美味しいよ!地方発送しないかい?そしたら私、ぜひぜひお取り寄せする!」
と絶賛しましたら、彼女いわく、
「…コレ、実は藤枝(私の地元)でも買えるんだよね。」
そうして教えてくれたのが、
お店で使っている調理機械「Dip Top」の製造・販売元のこちらの工場でした。


…実は彼女のお父様の会社だったりします。

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とはいえ私、知ってるのは会社名と、
「工業団地にあるよ」という彼女からの情報だけで、実はどこにあるかも知らなかったわけで。
・・・なのに例によって夜勤明けにふと、
「そうだ。生キャラメル買いに行こう。」と思い立ってしまい。
職場のタウンページと訪問介護マップで、大体の場所を確認したら、
♪〜チャルラ・ルリラ・ラリララ〜〜〜♪
と、眠気を通り越した妙なハイテンションで鼻歌歌いながら、急遽向かったわけです。


工業団地はすぐに見つかりました。
もとは田んぼだったせいか、川沿いのホントに広い敷地に、真新しい工場が、
大小取り混ぜていくつもあります。
その一つ一つを、徐行でぐるりと巡回しながら探します。
・・・10分後。私にやや焦りの色が。
おかしい。小さい工場まで一つ一つ丹念に見たのに見つからない。
もしや?と近くのコンビニに駆け込み、地図を確認したら、
川を渡った向こう側のブロックでした。
・・・そりゃ、見つからないワケだよ。(泣)


気を取り直して、タウンページに載っていた住所をあたってみましたら、
ありました!白い壁面にクッキリと「ソーキナカタ」の文字!
やっと探し当てた嬉しさに、小躍り小躍り!

さっそく玄関に行くと、ついたて越しに何やら、忙しそうに仕事する話し声が!
恐る恐る「ごめん下さ〜〜〜い・・・」と声を掛けましたら、
事務スタッフらしい女性が応対に出て下さいまして。
・・・よくお顔を見たら、今年の5月に仲田さんのお芝居で共演したWさんでした。
まあ!お懐かしい!思いがけない再会に顔がほころんだりして。
「今日はどうしたの?」とWさんに聞かれて、
「・・・実は、生キャラメルを・・・」と切り出す私。
するとWさん、すかさず略地図を取り出して、丁寧に説明して下さいました。
「キャラメルやってるのはね、ここじゃなくて、第二工場。
この道を戻って、最初の角を曲がって、そのまま道なりに曲がっていくと、
ガソリンスタンドのある角に出るから。そのガソリンスタンドの向かい。」
・・・なんだ。ガソリンスタンドならさっき、その前を通ったけど、
気付かず通過しちゃったのかい。(ガックリ)


気を取り直して(またかい!)、もと来た道を引き返し、
間もなくガソリンスタンドの辺りに来ました。
・・・ふむ。斜め前には「Dip Toy」って書いてある。あれだな?


やれやれ、やっと辿りついた、と安堵のため息をついたのもつかの間、
なぜか工場から出てきて、駐車場に誘導して下さる人影が!
・・・仲田さんのお母様でした。
私が慌てて引き返している間に、Wさんから連絡が入って、待機していて下さったのだとか。
ナイス連携プレー、ありがとうございました!

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工場の一角にある試作・試食ができるラボを、さっそくご訪問。
スタッフの女性と二人で、生キャラメルのカットと包装を、
一つ一つ手作業でやってらっしゃいました。

あっという間に包装されていくキャラメルの山!
こちらのラボは、本業のお仕事のかたわら、
お昼休みを利用してやってらっしゃるのだとか。
(12:00〜13:00)


お母様、ホントに気さくに応対して下さって、
包装のあまりの速さに、ひたすら「ほえ〜〜〜!」と目を奪われている私に、
「ほいッ!」と突然、カットしたてのキャラメルを渡して下さる。
・・・その場で試食。あま〜〜〜い。
すっかり顔がほころんじゃった私に、すかさず、
「アイスもプリンもあるよ〜〜〜!何味が食べたい?」
とおっしゃるので、お言葉に甘えて、
カボチャプリンとバニラアイス、ヌガーをいただくことに。


美味しくいろいろ試食しながら、
東京ビッグサイトでの見本市に出品した時のお話やら、
人気の洋菓子店からオファーが来たこと、
更に、某大学の先生から、
「高齢者施設でミキサー食作るのにも、適しているのでは?」
とのお墨付きを頂いたことなど、
長々一時間近く話し込んでしまったよ。


一品食べるごとに、「記念に」と写真撮ってたら、
お母様から「いいよ、いいよ〜〜〜!撮ってまたブログで書いて!(笑)」
と快諾頂いたので、前回紹介レポートを書いてみました。
生キャラメルを目の前でカットして、
棒の状態で渡して下さるサービスぶりに、すっかり感激!

モデルでお母様もチラッと映ってますが。
なかなか濃厚なお味で、美味しかったです!


ところで。仲田さんから、かねがね、
「うちのお店とは味が違うけどね。藤枝の方が甘いよ。」
と聞いていたのですが、確かにお味は違いまして。
工場で頂いたのは、昔なつかしの、黒糖やハチミツが濃厚な感じ。
職場(高齢者福祉施設)にお土産に持って行って、入所者に試食してもらったんですが、
なかなか好評でした!
下北沢の方は、ややクリーミーで、後味がさらっとしている感じ。
上品なお味、という印象。
・・・土地柄や客層の違いのせいかな?とも思いました。


工場自体は、小さい町工場という印象なのですが、
世界でここだけ!という、オンリーワンの商品を作っているという気概と、
町工場ならではの、お客様と直に触れ合って商品を気に入ってもらいたいという心意気を、
肌で感じました。