2010年宇宙の旅@王子

先日、北区王子にある北とぴあにて、板橋克己さんの個展「恒河沙in王子」を観に行って来ました!


板橋さんは、「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」のメカデザインを手掛けられた方。
銀河鉄道999に登場するメーターぎっしりの機関室は、彼のデザインによるものです。


マイミク:リルさんが板橋先生ファンコミュに参加されてまして、
ブログで今回のイベントの準備の様子をレポートして下さるのを拝見してて、
「いいなあ、楽しそう!」
「機会あればぜひ一度、生で見てみたいなあ」
というワクワクが募っていたところへ、
当日リルさんが宇宙船のアテンダント:宇宙レディに扮してアナウンスする!との情報が。
声のお仕事をやってらっしゃるリルさんは、よく通るステキなお声なんですよ。
しかも、ブログでは当日に向けて、ご主人のTさんやマイミクさんからのご意見も踏まえて、衣装プランが日々練られていきます。
…これはぜひとも観に行きたい!


というわけで、新幹線→京浜東北線と乗り継いで王子へ。
この日は久し振りにお天気に恵まれ、お出かけ日和。
会場の北とぴあの入口近くにポスターが!宇宙船のイラストがカッコいい。


ここはプラネタリウムの設備もあるらしく、宇宙がテーマの今回のイベントにふさわしい会場だと思いました。


受付でチラシと一緒に出展作品の縮小コピー一覧を頂けてホクホク!
受付に記名帳があって、「静岡県藤枝市…」と書いていたらビックリされましたが、さらに遠い名古屋から駆け付けた方もいらしたようでビックリ!


展示室は、バスケが出来るくらいの広さがあって、その会場の壁にズラリと、作品が展示されていました。
その数、およそ80枚!しかも手書き!
ほとんどが、今回のイベントのために描かれた新作なんだそうです!
一連のイラストは連作になってまして、海上にある宇宙エアポートの俯瞰図から始まります。
エアポートから宇宙ステーションまでエレベーターで移動し、そこから宇宙船に乗って、太陽系をクルーズしていくイメージ。
まさに、2010年宇宙の旅


そして、その作品をひとつひとつ、作者の板橋先生自ら解説して下さる贅沢さ!
作品解説といっても、先生の気さくで穏やかなお人柄のせいか、難しい話ではなく、
宇宙船内での宇宙ガイドみたいな和やかな雰囲気で進みます。
気になることがあれば、そのつど手を上げて質問出来て、その場で答えて下さるのが嬉しい!
作品や先生が、一気に身近に感じられました。


解説コーナーの冒頭では、板橋先生デザインのメカカチューシャを装着した宇宙レディ:リルさんが、
4か国語(英語・フランス語・中国語・日本語)でアナウンス。
「おぉッ!」と歓声が上がる。本物の宇宙船アテンダントみたいでした。
もう一人の宇宙レディ:エメロードさんとご一緒に、ステキな衣装で、宇宙旅行の雰囲気を盛り上げて下さっていました。



展示の最後を飾るのは、パネルを10枚つなぎ合わせた大作「数詞艦隊」。
たくさんの宇宙船が、一斉に前方に向かって来るような絵なんですが、
船にはひとつひとつ名前が書かれていて、それが「兆」「億」「京」といった数詞。
このイベントのタイトル「恒河沙」も数詞のひとつで、
ガンジス河の砂の意味から、転じて、数えきれないほどたくさんのものを指す言葉となり、
やがて、宇宙の広さをイメージする言葉となったもの。
宇宙船の形はそれぞれ違っていて、直線を使わずどことなく丸みを帯びたデザインになってます。
しかも、「艦隊」とはいえ、砲台などの武器は一切描かれていない。
参加者にその理由を聞かれて、板橋先生が答えました。
「宇宙に出て戦争をするほど、人間は愚かではないと思うので。」
胸に響く言葉です。
人類の未来に希望を託したお言葉だと思いました。


ところで、解説に使っていたコード付きのマイク。これがちょっとクセモノで。
何しろ会場が広いので、コードをつないで出来るだけ長く伸ばして使っているのですが、
あちこち引っ掛かりそうになり、その都度スタッフの皆さんがコードをさばいてさばいて。
お客さんも息を合わせて、くぐって避けて。
でも、いよいよ会場の対角線に届かなくなりました。…ど、どうする?
そこで。スタッフの機転で、一旦電源を外して別のルートからコードを通したんですが、
それが微妙に届かなくて、コードに引っ張られたようなポーズで、淡々と解説を続ける先生…。
科学がさらに発達した未来の世界の宇宙船イラストに囲まれて、
コードが届かないっていうギャップが、なんともシュールでおかしかったなあ。


壁面の展示もすごいんですが、フロアの方もすごい。
フロアの随所にテーブルが並べられ、そこには何と!板橋先生が過去に手掛けられたアニメ作品の設定原画の数々が!
しかも、ビニールシートで覆われているので、貴重な資料を間近で見られるのが嬉しい!
…な、何て太っ腹な展示なんだ。
当日私は、ユニクロの999Tシャツ:機関室バージョンを着て行ったんですが、
その機関室の原画もバッチリ展示されてました!来て良かったあ〜〜〜!


追記:リルさんのご主人のTさんも、ゲストとして出展。
色紙にはサインとメーターイラストが!

Tさんは、板橋先生のデザインを元に描いた、ヤマトの第一艦橋内部全景のCGイラストを出展してらっしゃいました。
そのイラストは、「大ヤマト零号」本編で使用されたものだそうです。
ちょうど艦長席から立ち上がって、ブリッジ全体を見渡したような構図になっていて、細部までこまかく描かれています。
もちろん、随所にメーターが!
じっくり眺めていますと、去年の「ヤマト復活篇」を劇場で見た記憶が蘇り、
「あの古代艦長も、もしかしたらこんな風にブリッジが見えるのかなあ…?」
とワクワク拝見しました。