伽藍博物堂「たまくら」(序文)


去る6月19日、静岡市で活動する劇団「伽藍博物堂」の、
本公演「たまくら」を観に行って来ました。

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こちらの劇団とは、私、少しばかりご縁がありまして。


今年5月の大型連休の「志太お茶の香演劇祭2007」に、
伽藍博物堂さんも参加されていました。
その時私も、会場の設営や当日の受付のお手伝いをしたのですが、
仕込みの際、古い茶工場を小劇場に改装するにあたって、困難が続出!
何しろ、元々茶工場だった建物だから、がらんと天井が高く、
物を取り付けたり、吊るしたり出来るところがあまりない!
そこに暗幕を吊ったり、不揃いな大きさの茶箱を並べてステージに仕上げたり、
緞帳替わりにカーテンを開け閉めする仕掛けや、
書き割りが描かれた幕を入れ替える仕掛けを、
何とかして作らなければならない!


・・・そんな時、一緒に設営をしていた伽藍座長の佐藤さんに、
便利な道具をいろいろ提供して頂き、
使えるアイデアを教えて頂いて、事無きを得ました。
(伸びるカーテンレールとか!
伸縮タイプの物干し竿を連結して書き割りを吊るとか!)
佐藤さんによれば、伽藍では日頃から、
公民館や幼稚園・図書館などでの公演を行っているとか。
つまり、どこでも劇場に仕立てられる技術と機材があるわけで、
そのための便利な道具の工夫も、
「身近にある、安く手に入るものを上手く応用する」
というコンセプトでやっているとか。
・・・その発想の数々、目からウロコでした!
その節は大変助かりました!ありがとうございました!

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さて。こちらの公演を見るのは、1年前の「埋もれた楽園」以来2回目。
(当時のレビューはこちら。
http://blogs.yahoo.co.jp/yazaki_ya/37954305.html
SF的な事件に翻弄される巷の人々を、随所に笑いを織り交ぜながら、
わかりやすく、淡々と、時にはややブラックに描いた作品だった。


今回は初めて、こちらの劇団のアトリエ:伽藍博物堂実験室に観に行く。
会場は、静岡市鷹匠。静岡鉄道日吉町駅からは目と鼻の先だが、
JR静岡駅から歩いて行くと、徒歩15分くらい。
開演10分前に辿りつく。
この日は、平日の夜の公演で20時開演ということで、
劇場前には、仕事帰りと見られる20代くらいの観客が、数組談笑している。
その中に、「お茶の香演劇祭」でご一緒した、劇団渡辺の俳優:成戸さん発見!
しかも、彼の方から気付いて挨拶して下さった!
同じく渡辺の俳優:山内さんも、会場で私に挨拶して下さる。
・・・「演劇祭」では、3日間という短い期間でのご縁だったのだが、
覚えていて下さるのって、何だか嬉しい。


最前列の桟敷席が、何故かぽっかり空いてたので、
例によって「最前列中央やや上手寄り通路脇」に座る。
・・・私のお気に入りポジションなのである。
座長:佐藤さんの軽妙な前説で、すっかりくつろぎながら、ふと会場を見渡す。


客席は50席くらい。ひな壇になっている。
客層は、20代から40代くらい。
平日ソワレだったが、30人くらいの観客が来ており、会場はほぼ満員だった。
ステージ部分は桟敷席と地続きで、2×4mくらい。
クリーム色の壁、上手寄りに空色のソファーがひとつ、
随所にサーモンピンクのイスがいくつか並ぶだけの、
パステルカラーを基調とした、シンプルなセットである。

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さて、いよいよ本編について。
・・・と思ったのだが、長くなったので続きは後ほど。


(つづく)