夏祭り。

去る2011年8月25日、うちの職場(高齢者福祉施設)の夏祭りが行われました。


うちの職場は入所者・利用者さんに少しでも季節感を味わって頂くために、
デイケア・一般棟・認知棟の各部署ごとに、ほぼ毎月、季節にちなんだ行事をやっているのですが、
その中でも最大のイベントが『夏祭り』です。


行事のほとんどは、いつもは各階ごとに分かれて開催されるんですが、
この日は階を超えて協力しあって作られ、日頃リハビリの機材が並ぶ訓練室には、お祭りの屋台を模した出店が登場!
入所者・利用者さんはご家族と一緒に参加され、
いつもは関係者やお見舞いに来た人以外は入れない施設が、当日は一般開放され、地域の皆さんにもご参加頂けるとあって、
会場は人でぎっしり!


さらに夏祭りは、毎年恒例のイベントではありますが、趣向が毎年変わるのが特色!
ある年は屋外の駐車場で夕方から開催され、最後は花火を打ち上げました。
今年は会場を屋内とし、玄関ロビーとリハビリ訓練室に、職員手作りの出店(駄菓子・的当て・ヨーヨー釣り・かき氷・ところてん)をしつらえました。
さらに、東海道藤枝宿ゆかりの老舗が建ち並ぶ『白子商店街』から数店が、100円セールで参加!
地元特産のシイタケを練り込んだ、藤枝が誇るB級グルメ『瀬戸谷コロッケ』も、その場で揚げたてを販売!
さらに、市内の福祉作業所も、手作りクッキーや布製品を売りに参加。
白子商店街とのタイアップ企画というのが注目され、当日は地元テレビ2局が取材に来てました。


オープニングは、志太・榛原地域で活動するグループ『七福神』による踊りを披露。
色とりどりの七福神の扮装をした皆さんが、扇を手に歌い踊ります。
七福神の皆さんは、続いて各階を回り、踊りを披露しては、入所者の皆さんと記念撮影をしたり、交流をされていました。
華やかな扮装や踊りを見て、入所者の皆さんも盛り上がっていました。


出店の方は、ご家族と一緒に見て回って頂くのですが、
白子商店街のブースで久し振りに服や雑貨、お菓子などを買い物できて、楽しまれたご様子。
職員の出店では、的当てに熱中され、かき氷やところてんを、懐かしそうに味わってらっしゃいました。
会場には随所に椅子や机を並べ、休憩スペースとしてご利用頂いたのですが、
そこかしこで、ご家族の皆さんに囲まれて、笑顔で語らう入所者さんが見られて、
この機会に、ご家族の団欒を楽しんで頂けているんだなあ…と思いました。


午後からは、夏祭りのメインイベント『のど自慢大会』。
デイケアの奥の方に特設ステージを設けて、各階から参加者を募り、
音楽療法の先生のキーボード生演奏に合わせて歌って頂くというもの。
デイケアの利用者の皆さんは「さすが!」と唸るくらいの名手揃いでしたが、
私のいる認知棟からは、入所者数人が浴衣で登場!
…この日のために、ご家族にお願いして、ご自宅から持って来て頂いたのでした。
さらに、付き添い役の職員:Mさんも茶娘に仮装!
岸壁の母』を歌った時は、入所者に息子さんの名前を呼んで頂く演出までこなし、会場内は大ウケでした!
そして、トリを飾ったのは、デイケア職員有志によるAKB48風パフォーマンス。
男子数人も含め、みんなでセーラー服を着て、『ヘビーローテーション』を踊っておりました!
会場は大いに盛り上がったのですが、曲の終盤で機材トラブルが発生!
音楽が突然途切れてしまった!
…スタッフがすかさず掛け直したんですが、曲の始めから再生されてしまったので、
AKB風な皆さんは、ほぼ2セット踊るハメになってしまいました!
…おかげで、踊りをもう一度見られて、会場はさらに盛り上がりましたが。


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余談ですが、夏祭りでの職員のドレスコードについて。
うちの職場では、毎年夏祭りには『お祭りの気分を盛り上げるために、それらしい雰囲気のある衣装で』と事前に通達されます。
施設の備品として、夏祭り用に買ったハッピを50着用意してあるのですが、多くは上司や、当日参加されるボランティアさんにお貸しするので、
職員はなるべく、自前で用意するように言われています。


その際、よく勧められるのは浴衣。
お祭りっぽいし清楚な感じで、入所者さんやご家族にも好評なので、受付担当の相談員さんやケアマネさんはほとんど浴衣を着て下さるのですが、
反面、お祭りと言っても、各階ではいつもと同じくトイレ介助やオムツ交換・食事介助が行われているわけで、
介護スタッフからは浴衣は「動きにくい!」「着付けが出来ないし…」と敬遠されがち。
そこで毎年、甚平も可か?という意見が上がるのですが、
浴衣を推奨している、夏祭り管轄の上司からは「女の子が甚平なんてかわいくない!却下!」と反対され、
結果いつもの制服のまま参加する職員もいるわけです。


ところが今年はひと味違う!
ハッピをなるべく多くボランティアさん用に確保するため、甚平でも可になっただけでなく、
お祭りっぽい衣装で事前に自己申告してあれば、甚平や浴衣以外でも可になったのです。


私の職場:認知棟では、最近焼津で流行っている『魚河岸シャツ』が急浮上し、一番人気に!


『魚河岸シャツ』というのは、漁師町:焼津で考案された、手拭いを素材にして作られたアロハ風のシャツ。
薄くて涼しいので、焼津ではクールビズの一環で、市役所職員も着用しているのだとか。
焼津発祥だけあって、海や波をモチーフにした柄が多いんですが、お祭りっぽい柄も多いです。
以前「噂のケンミンショー」で取り上げられて、知名度が急上昇しております。
…最初私は「ヤクザっぽく見えるので怖いなあ」と思い、敬遠していたんですが、
今回ホントにいろんな柄があって皆さんかわいく着こなしていて、だいぶ印象がかわりました。


さて。みんなが浴衣か魚河岸シャツを着るとなると、同じじゃあつまんないなあ…と思った私。
夏祭りの総責任者のウッチーさん(仮名)から、2か月も前から「当日は各階をビデオ撮影してほしい」と言われていたこともあり、
とにかく動きやすく着替えしやすい格好で、出来れば浴衣や魚河岸シャツよりもかわいいものを!
…と、あれこれ検討しまして。
申請の際は「浴衣ドレス」と書いたんですが、

ドレスを取り寄せて着てみたら、これではいかにも若作りし過ぎ!と冷汗が出ました。

浴衣ドレスのメーカーさんのサイトを見ましたら、袴姿のアレンジ例が掲載されてまして、いいなあ…と思ったところに、
オークションサイトで、はいからさん風メイド服発見!
「これだーーーッ!」
とばかりに発注!


とはいえ、着てみたら細部がアレンジされてて着物っぽくないので、
昔実際にはいからさんやってた入所者の皆さんの前で『なんちゃってはいからさん』をやるのは、かなりのひんしゅくかな〜?と思い、
資料として、『大正 女学生』で画像検索して、当時の衣装を見てみましたら、
着物はかすりが一般的だったらしい。
しかも、大きなリボンがトレードマークだったらしい。
…そこで、急遽古着のかすりの浴衣を取り寄せまして、作務衣風にリメイク。
さらに、ちりめん生地とレースを買ってきて、リボンを手作りしまして。

なかなかそれっぽく出来たなあ…とホクホク!
楽しかったです!


しかし、当日撮って頂いた写真やビデオを拝見しましたら、髪はバサバサだし顔のエラは丸見えだし、
カワイイとはかなり遠い路線…と、現実を知って愕然!

…私のは「コスプレ」と言うほどには洗練されてなくて、むしろ扮装を楽しむ「仮装」の方が近いんだなあ…と、つくづく実感。


仮装だと多少モチーフから離れても「●●の扮装の人ね」と見てもらえるけど、
コスプレサイトを拝見すると、衣装・小道具・メイク・ポーズまで再現して、なりきってないと『着ただけさん』と嫌悪されてしまうのだとか。
…ちょっと敷居が高い感じ。


さすがに「はいからさんコスプレやってます!」と言うのははばかられて、
扮装について聞かれる度についつい、「変装してます!」と言ってしまった私でした。