台風15号の影響。

台風15号上陸当日の職場の様子。


●仕事の行き帰りは、職場←→駐車場間は、ともに降られず無事。傘も持たずに職場入り。


●久し振りに日中に地元に上陸したので、上から横から叩き付けるような暴風雨を見て、
入所者と一緒に驚く!
…隣家の屋根に叩き付けられた雨しぶきが、暴風に吹き飛ばされる様子は、水煙のようでした。


●入浴介助のため、午前中はほとんど浴室に籠りっきり。
よって、ニュースや台風の被害がほとんどわからず。
昼休みに食堂のテレビでニュースを見て、台風が地元に上陸しそうであると知る。
…職場の裏山が土砂崩れ起こさないかと不安になる。
東海地震が今来たらヤダよねえ…」
と冗談混じりに同僚と話す。


●午後も入浴介助。
入浴予定者が少なめで、午前中に半数以上が済んでいたので、14時前に介助終了。
フロア担当のスタッフが少なめなので、入浴担当のスタッフ2人のうち一人がトイレ誘導の手伝いに入ることになり、
私は残って浴室の片付けをすることに。
…その前にトイレに行きたくなって、用を足し終わったところで、
突如停電になる!


●医療系の職場なので、しばらくは非常電源がついているので、真っ暗にはならないが、
停電がすぐに復旧できるのか?長引くのか?この場合何をしなければいけないのか?判断に迷う。
停電してもしばらくは水が使えたので、取り急ぎ浴槽を洗って非常用水を蓄えることに。
他のスタッフは、少しでも明るいところに入所者を集めようと、ホール内の窓寄りに全員を移動。
折しもトイレ誘導の時間だったため、真っ暗になったトイレで、懐中電灯の明かりを頼りに介助継続。
おやつ用の水分を用意した後で、早番が一人でホール内見守りを行なっていた。


●浴室の入口を開け、廊下の窓から差し込む薄明かりを頼りに掃除をしていた私。
浴槽に水が溜まる頃、ふと、
「飲料水は、誰か貯めておいてくれたんだろうか…?」
と気になった。
その直後に、今度は水が止まった!


●案の定、飲料水はストック出来ていなかった。
悪いことに、ちょうど人が分散している時間帯だったため、貯めに行けるスタッフがおらず、
断水に間に合わなかったのだった。
急遽クーリング用のホシザキの製氷機に残った氷を給水ピッチャーに移して飲料水としたそうだ。


●15時頃、夜勤のスタッフが来た。
聞くと、職場付近の信号は停電していたが、そこより南は電気が来ていたという。
…職場に着く前に、コンビニで飲料水を買って来てもらうように頼むべきかと迷う。


●事務スタッフから非常用にと、ロウソクを2本渡される。
でも、認知症専門棟なので、入所者がうっかり触って火傷や火事になってもいけないし、
スタッフルームにて使用することに。
…早速ロウソクの明かりを頼りに夜勤者への申し送りが行われたのだが、
薄暗い部屋でロウソク一本の周りでボソボソと話をする光景は、
何だか怪談やってるみたいだった…


●市街地方面は停電していないとのことで、事務方の上司が奔走!
キャンプ用ランタン型LEDライトを買って来て頂いた!
明るいし軽いし、熱くならないし、倒しても平気。単一電池4本で60時間もつらしい。
こりゃあ助かる!


●ホールに急遽ベッドをできるだけ集めることになり、スタッフみんなで手分けしてベッド移動。
トイレも暗いので、ホールにポータブルトイレをいくつも持ち込み、周りを仕切りで囲む。
私はホール見守りをしながら、間を持たせるために体操をやり歌を歌う。


●厨房では、水が使えない中、急遽夕食を水なしでも用意できるメニューに差し替えて準備してくれた。(缶詰系?)
エレベーターが使えないので、階段でお膳を運ぶ。
他の階のスタッフも協力して、手分けして運ばれ、
いつも17:30から始まる夕食を、前倒しして17時から始められた。


●早番も日勤も残って、夕食介助と片付け。
配膳したそばから夜勤者が内服薬介助。
夕食が早く済んだ人から手分けして臥床介助とオムツ交換。
手の空いた人は、他の階へ配膳の手伝いにも行っていた。


●私は再びホール見守り。入所者をなるべく一か所に集める。
食べた直後の人を臥床させると食べた物が逆流して嘔吐する恐れがあるので、
次々に介助に来るスタッフに、もう寝かせてもいい人と、まだ食事が終わったばかりの人を説明する。


●臥床介助終了。
先ほど届いたランタンを、どこに置けばホール全体が明るくなるか検討。
机や椅子の上に置くより、もっと高いところに置けば、周りを見渡せるのだが…
そこで上司より、
「点滴台を使えば?」
というアイディアを頂く。
…LEDのランタンを点滴台に吊して掲げると、
思いがけず明治時代のガス灯みたいで、何だかロマンチック!


●いつもはスタッフルームに詰めている夜勤者も、
今回は入所者とともにホールで見守りを行なうことになり、
経過記録をホールで書けるよう配置する。
この時18:30。
日勤のフロア担当も、日中バタバタして記録が書けなかったので、取り急ぎ記入。


●そんで。
停電は夜中に復旧予定との連絡が入る。
ようやく日勤者も帰れることになり、職場を出た時は19時。
あたりは停電で真っ暗で、人家の明かりも見えず、ひっそりと静まり返り、
何だか淋しい感じでした。
携帯も繋がらず、メールも受信しづらい状態。
学校が休校になったために幼い子を家に待たせている同僚もいて、
「不安がっているだろうから、早く帰ってあげたい」
と家路を急いでいました。


●職場から地元に向かってしばらく進み、ようやく人家の明かりが見えて来た時は、
何故か遭難したわけでもないのに、
「…助かった…」
と心の底から思いました。


●帰宅したら電気が煌々とついていて、
「ああ。電気って有難いなあ。」
と思った次第。
しかし、我が家では全く停電がなかったそうで、
山一つ越えただけなのに、このギャップはなんだい?と思ったりしましたが。