イベント潜入…

去る2011年9月24日。
都内の遊園地にてコスプレイベントがあるというので、潜入してみました。


…『またコスプレかい!』と思う方々もおられるでしょうが…いえね。
先日の夏祭りで充分、
「私の場合は、何着ても自分の地のキャラが出てしまうし、
あるキャラになりきるよりは扮装すること自体が好きなので、
『コスプレ』と呼ぶのはおこがましく、どっちかと言うと『仮装』向き」
だと思い知ったわけですが(滝汗)、
それでも、コスプレしている人を見るのは、大好きなんですよ。


衣装の準備の参考にと、コスプレをやってらっしゃる人のためのサイトで、しばしばお写真を拝見しておりますが、
『うわぁ!この人の衣装・着こなし、まるでアニメからそのまま出て来たようだよ…』
と息を飲んだり、
『この衣装、凝っていてステキ!こういうの一度着てみたい!』
とホレボレしたり。
中には、
『この衣装、すごく独特なデザインでカッコいい!どういう構造なんだろ?』
と、真横や後ろからも見てみたくて、もどかしくなることも。
職場行事やパーティなどでビデオ撮影するのが好きな私としては、
せっかく二次元のキャラが三次元になって動いているわけだから、
そのキャラが動いているところを動画で拝見したい(あわよくば自分がビデオで撮りたい!)ところなんですが、
レイヤーさん達のサイトを拝見すると、ビデオ撮影はカメラと比べて盗撮されやすいため、禁止されてる場合がほとんどらしい。
…う〜む。残念!


そこで、コスプレしている人がいっぱい拝見できるコスプレイベントを、ぜひ一度見学してみたいと思ってまして、
今回思い切って行って来ました!


会場は、都内の遊園地「としまえん」。
(実は、大学時代に声優さんイベント見たくて行ったことがありました。かれこれ15年ぶり。)
入口の脇にイベント参加者用受付があり、
コスプレをする人も、その人を撮影したい人も、そこで参加料:1800円を払い、入園券と参加証シールを受け取ります。
参加証シールには名前やキャラ名を書く欄があり、荷物や衣装など、提示を求められたらいつでも見せられる場所に貼ります。


さて、潜入するにあたり、今回は一つ試みがありまして。
レイヤーさん達がどんな風にスタンバイしているのか、一度見てみたかったんですよ。
…なので、恥ずかしながら私も、ささやかながら衣装を用意しまして、コスプレ参加者として参加することに。
受付でもらった配布物に会場マップとイベントのルールが書いてあったので、
それを見ながら移動。
女子更衣室は、としまえんの中ほどにあるらしい。
連休の中日で、どのアトラクションもご家族連れやカップルで賑わっている中、地図を頼りに一人黙々と進んで行きますと、
人気(ひとけ)の少ない建物の一角に「女子更衣室」の横断幕が!


…恐る恐る建物の中を覗くと、どうもそこはロッカールームらしい。
入口にコスプレ姿の受付の人がいましたが、特に何か見せたり受け取ったりする必要はないみたい。
中に進んでいくと、ロッカールームの中ほどに縁台がしつらえてあり、周りのそれぞれのロッカーの前にはビニールシートや絨毯が敷かれていて、
レイヤーさん達はその上でロッカーの方を向いて黙々と準備をしていました。
衣装の下に着るアンダーシャツ姿で、ウィッグ用にネットをかぶって頭髪をすっかり覆い、
テキパキとメイクを施していきます。
…その姿は旅一座の役者さんのよう。
傍らの童顔の女の子が、みるみるうちに、キリッとした凛々しいテニス部男子に変身したり、
色とりどりのウィッグが違和感なくよく似合ってらっしゃる姿を拝見すると、
今更ながら、日頃からメイクやウィッグの練習をしとくのって大事だなあ…と、
しみじみ思った次第。


あんまり凝視してしまうのも申し訳ないのですが、
皆さんが、いつもの姿からキャラそのものに変身していく様子を、ついホレボレ観入ってしまいました!
…不審がられなかったかなあ?私…


ハッと我に返って、自分もスタンバイ。
とはいえ、お祭りで仮装するのとは訳が違って、皆さんキャラになりきるくらいに衣装もメイクも完璧な中、ですよ。
着替えは、着て来た服の上にジャケットを羽織るだけなので簡単なんですけど、
ウィッグとメイクが…ねえ…。


今回挑戦したのは、マンガ「CDA・若き彗星の肖像」に出てくる、14歳のハマーン様

初代ガンダムの直後の世界を舞台に、シャアに淡い初恋を抱きつつ、ジオン公国の再興を託されてしまう彼女の物語です。
…36歳で、コスプレイベント初参加で、初々しい14歳を演じるには、なかなか度胸とメイク技術が必要だよ?


コスプレサイトにアップされた、同じ衣装のレイヤーさん達の写真を参考に、
ピンクのウィッグとツインテール用バンス(クリップ式部分カツラ)をセット。
…いつもショートカットの私には、やったことがない髪型なので戸惑う。
更衣室には、全身を映せる姿見鏡がないので、小さい手鏡で調整します。
カワイイ系メイクをしようと、付けまつげに挑戦するも…失敗!
まぶたのカーブに合わせて曲げて貼り付けるのが、何度やってもうまくいかないんですよ。
…だんだん焦ってきてね。イヤな汗も出てきて。
『これは《今日は付けまつげナシで行け!》という神の啓示に違いない』
と思うことにしまして。
代わりにアイラインとチークを多めにしてみる。


かくして、やっと更衣室を出ましたら、そこは水のないプールでした。
プールサイドが荷物置場になってまして、空のプールの脇にトランクがズラリと並べられた風景は、なかなか迫力がありました。


荷物置場を抜けると、更衣室の出口の手前にコスプレ姿のイベントスタッフさんがいまして。
「露出チェックです。スパッツはいてますか?」
と突如声をかけられビックリ!
確かに私、膝丈のプリーツスカートはいてたんですよ。ミニって訳でもなくてもチェック入るのかと。
…そんなこともあろうかと、アンダースコートはいててOKが出ました!良かった!


さて、いよいよイベントに潜入。
アトラクションを楽しむご家族連れの合間に、テニス部男子っぽい女の子2人組や、忍者のタマゴっぽい女の子2人組がいまして。
参加者の3/4ほどは10代〜20代の女の子みたい。
彼女らは人通りの少ない日陰に入っては、ポーズの打ち合わせをして撮り合っていらっしゃいました。
…そういえば、日差しの強かったこの日、レフ板やデジタル一眼を使いこなすレイヤーさん達をよく見掛けたけど、
日なたで撮ってる人はいなかったなあ。


レイヤーさん達のほとんどは「併せ(あわせ)」と言って、
イベント前から同じ作品の登場人物をやりたい人を募って、配役を決めて衣装を準備してもらい、
その人達のグループで集まって場面の再現をやったり、写真を撮ったりしているようでした。
2〜3人組でやってる人が多かったんですが、5〜6人以上のチームでやってる人達もいまして。
フレッシュプリキュアとか、新撰組をモチーフにした「薄桜記」とか、らんま1/2もいたなあ。
衣装も凝っていて、ズラリと揃うと迫力あって、少し離れたところから、ついついじーっと見入ってしまいました。
…グループの皆さんで盛り上がってらっしゃるので、イベント撮影好きな私もさすがに、
「私もお写真撮らせて下さい!」
とは言い出せませんでした!


撮影の合間に他のグループの人が寄って来て、撮影をしていたり。
名刺交換をしていたり。
(イベント後に交流できるように、コスプレするキャラ写真を入れた、ハンドルネーム入りの名刺を用意されてるそうです)


さて、再び我に返って私の場合。
急遽参加したのと、いつもイベント取材には一人で行くので、当然「併せ」という発想はなく、
自分を撮るよりはむしろ、レイヤーさん達が和気あいあいと撮り合う様子をビデオで撮りたくなってしまうので、
ビデオ禁止である以上、撮れないもどかしさを抱えながら、レイヤーさん達の脇で凝視してしまう始末。
…いつもスッピンを見られるのは全然平気なのに、仮装なら全然大丈夫なのに、
華麗なレイヤーさん達と比べて、自分のコスプレ姿やメイクの何と拙いことか。
人に見られるのが、めちゃめちゃ恥ずかしい気分。


何だか、すぐに立ち去りたい気持ちにもなりましたが、
せっかく衣装を着てきたのだし、念願のハマーン様衣装だし…と、何とか気を取り直して、
人のいないところで、日当たりのいいところで、ササッとコッソリ、自分で携帯で撮ってみましたよ。


…表情がやたらぎこちない。何だか目付きが怖いし。
これでは衣装が何だかわからないよねえ…


会場を一回りしたところで、最後に、
『シャアと遊園地デートする約束をしたのに、任務が入ってドタキャンされ、淋しく一人で遊園地に来たハマーン様
というシチュエーションで撮ろうと、
アトラクションが入るようにかがんだり、衣装が見えるように角度を工夫したりして撮ってましたら、
通りすがりの若い女性レイヤーさんが、
「撮りましょうか?」
と声をかけて下さって、撮って頂きました!
嬉しかった!


…まあ、私のコスプレイベントデビューは、残念な感じになっちゃったけどさ。
改めて、コスプレしている人を見るのは楽しいと思いました。
見ているうちに、
『今度はこういう衣装を着てみたい!』
とか、
『ふむふむ。ポーズはこうすればいいのか…』
とか、やりたくなって来たし。


また機会あれば、コスプレイベントにリベンジしてみたいと思いました。