江戸装束パレード@しながわ宿場まつり(準備篇)

既にかなり前のことで恐縮ですが…
去る2011年9月25日、
東京都品川区にて開催された「江戸装束パレード」に参加して来ました!


これは、品川区の旧東海道沿いの5つの商店街による「しながわ宿場まつり」の一環で、
江戸時代の装束を着た人達が、旧東海道およそ2キロを練り歩くというもの。
恒例の目玉イベントらしく、公式ホームページには、茶屋娘やら腰元やら姫様やら、
時代劇からそのまま出て来たような扮装の皆さんがたくさん写ってます。


このイベントに参加したのは、マイミク:リルさんにお誘い頂いたのがきっかけ。
リルさんは去年、ご主人Tさんとイベントを見に行かれたそうで、パレードや砲術の実演、紙芝居の実演を見て楽しまれたそうです。
そして今年の3月11日の震災の日の夜、電車が止まったため、帰宅すべく長い道のりを歩いて歩いて、この商店街を通り掛かった時、
商店街の皆さんが沿道に出て、帰宅困難となったたくさんの人達に、暖かい飲み物を提供し、励まして下さったのだそうです。
その温かいお心遣いが嬉しかったとのこと。
そして今年は、パレード参加者を、地元の人だけでなく、ホームページで広く一般から募集しているのをご覧になったリルさんは、
仮装も仮装イベントも大好きな私を誘って下さったのでした。


早速ホームページで去年の様子を拝見しましたら、時代劇さながらの扮装で役柄もたくさんあって、参加された皆さんホントに楽しそう!
…もちろん、二つ返事で参加を決めましたとも。


申込みの仕方は、ホームページから参加申込み用紙(PDF)をダウンロードして、
衣装リストの中から、やりたい役柄を選ぶのと、
頭の採寸(額周りの長さ・額の生え際から襟足までの長さ・額から襟足を通る外周の長さ)を申告するというもの。
役柄はたくさんあって迷ったんですが、
(姫様・腰元・茶屋娘の他、八百屋お七・花魁・花売り・武家の奥方・角兵衛獅子・大店の娘…などなどいっぱいありました!)
去年の写真を拝見すると、女忍者とか、役柄リストにない役をやってらっしゃる方もいるらしい。
…ということは、リストになくても、ダメ元でやりたい役を申込んでみたら、似たような衣装があればやらせて頂けるのでしょうか?
男装も女装もどっちもやりたかったけど、初参加なのでリストの中から選ぶことにしまして、
出身地:藤枝にちなんで『藤娘』役で希望を出すことに。


頭の採寸は、日頃あんまりやったことがなかったので戸惑いましたが、
久し振りに「4年の学習」の付録の巻き尺を出してきて、
遊びに来ていた姪:ももちゃん(10歳)に訝しがられながら計測。
…この計測結果を元に、何と!カツラを用意して下さるそうでホクホク!


申込み用紙は、リルさんのご厚意で、リルさん分と一緒に申込み窓口に出して頂けることになり、
早速リルさん宛に発送しました。
(リルさん、その節はありがとうございました!)
窓口をやっていらっしゃるパスタ店のおじさんが、私の住所(静岡県)を見て、
「こんなに遠くから申込んで下さるんですね…」
と驚いてらっしゃったとか。
…いえいえ。ホームページで広く募集して下さったので、
地元の人でなくてもイベントにエントリーさせて頂けるのが有難いと思いました。


さて、いよいよパレード当日。
(実はこの前日、以前の記事の「コスプレイベント潜入@としまえん」というのをやらかしているわけですが…)
事前に頂いた資料によれば、青物横丁商店街の呉服屋・尾張屋さんで着付けとメイクをやって頂けるそうで、
朝8時集合で早く入った順にやって下さるのだとか。
しかも、お支度に時間が掛かるので、なるべく早くきて欲しいとのことでした。
そこで、7:40頃に京成線青物横丁駅にてリルさんと待ち合わせて、8時前に一緒に尾張屋さんに入りましたら、
裏の離れに行くよう指示されまして。
行ってみるとそこは、時代劇の楽屋さながらに、プロのメイクさんがズラリと待構えていまして、
既に何人もの参加者さんが、頭を頭巾でくるみ、役者さん用メイクを施されていました。


部屋の壁側には、カツラを入れた箱がぐるりと取囲むように積まれていて、
その箱には、時代劇でお馴染みの『山田かつら』の文字が!
…どうもこの仮装パレードは、東京品川という土地柄もあってか、
メイクもカツラも、そして衣装も、時代劇を日頃手掛けてらっしゃるプロの方々にやって頂けるらしい。
…予想以上に贅沢なイベントで、参加出来てホントに良かったなあ…と思い思いました。


さてさて。私も早速メイク開始!
荷物を置いてすぐ、ヒモのついた網の頭巾みたいなものを付けて頂き、メイクさんにされるがままに顔を白塗りにされていきます。
あっという間にメイク完了!


そのまま隣の部屋で着付けして頂くのですが、つくなり係の人から、
「ああ…藤娘はねえ、時間が掛かるから後でね!」
と言われて、白塗りに襦袢姿のまま、後からきた茶娘さん達や花売りさん、武家娘さん達に、どんどん抜かされる。
一時間待っても、全然呼ばれる気配なし。
私の隣にいた方が去年藤娘をやったそうで、その方がおっしゃるには、
「藤娘など衣装が豪華な役は、打掛けが重いから着てる人が疲れてしまうため、体力への配慮から最後に着付けされるらしい」
とのことでした。
かなり先にお支度が終わったリルさんを随分お待たせしてしまったので、着付けがどうも最後になりそうな旨をお伝えしに行きました。


支度部屋はそれなりの広さがあるんですが、それでも一度に6〜7人が着付けをすると、随分狭くなります。
私の他にも『狐の嫁入り』さん(狐のお面をかぶった白無垢姿)や花魁さん、八百屋お七さんなんかが後回しにされ、
ただでさえ手狭な支度部屋の入口の脇に、さらに狭い思いで体育座りで小さくなって並んで待ってましたら、
着付け係さん達が交互に来て下さり、
「お待たせ!何の役だっけ?」
と声を掛けられ、ホッとして役名を告げては、
「ああ…それは後でね。」
と断られ、後回しにされることの繰り返し。


そうすると、待っている者同志で、いつの間にか連帯感が生まれまして。
役名を教え合ったり、去年の様子を聞いたり。
毎年参加している人は、豪華な衣装の役をやる時は、かなり遅めに着付けに来るんだとか。
衣装さん達はけっこう融通が利くので、役名リストにない役でもリクエストすると、何とか用意して下さるのだとか。
女性の男役もありで、『八丁堀の七人』で申込んで同心に扮した人もいらっしゃいましたし、
(『七人』のはずなのにお一人でしたが…かなり凛々しかった!)
衣装の持ち込みもアリで、去年は新撰組で参加された方々がいらっしゃったそうです。


…とかお話している間に、背の高い女性レイヤーさんが颯爽と入ってらっしゃり、自前衣装を着付けてもらってみるみるうちに坂本龍馬さんに変身!
短筒を手に颯爽と去って行かれました。
カッコ良かった!
…持ち込みも出来るなら、江戸時代の装束なら、幅広く何でもアリなんですなあ。
何だかとっても太っ腹なイベントで、嬉しくなっちゃった!


さてさて。かれこれ3時間近く待って、待機組もぼちぼち呼ばれ始め、
お互い「行ってらっしゃい!」と声を掛けて送り出す。
私もやっとお呼びが掛かりました!
待ち時間が長かったもんだから、同じく待たされていた『狐の嫁入り』さんと2人で、
「『早く着たーい!』コール」
をやった後だったので、やっと着付けに呼んでもらった時は2人とも「やったあ!」と大喜び!
かくして着付けが始まったのですが、衣装が大きな打掛けなので多少手間が掛かるようでしたが、
ベテランの着付けスタッフさん2人掛かりで、手際良くどんどん着付けされて行きます!
胸元をギュッ!ギュッ!と紐で締め付けられて、ちょっと苦しかったけど。
かくして、待つこと3時間、お支度15分で、藤娘完成!
(後篇につづく!)